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- Q1
- 油ってナニ?
- Q2
- 油処理剤・油中和剤・油分解剤ってナニ? 本当に油を分解する?
- Q3
- 油を吸着した後の吸着材の処理は?
- Q4
- それぞれの油の比重を教えてください。
- Q5
- 油の漏流出事故を起こしてしまった場合、どこに連絡すればいいの?
- Q
- 油ってナニ?
- A
- 難しい質問です。というのが場面や目的によって「油」の意味が変わってくるからです。ごく一般的には液体状の油脂(動植物油。脂肪酸グリセリンエステル。)と炭化水素(鉱油)を指すことが多いと思います。これらは「水と油」という慣用句にもあるように水には溶けないものです。少し化学的に表現すると非極性という共通の性質をもつのです。
しかしたとえば燃焼による危険の防止を目的とする「消防法」関連では水溶性の液体も「石油類」の一種にされています。たとえばグリセリンやアセトンなどです。これらは化学的にいえばアルコールやケトンというものの一種なのですが「燃えやすい液体」ということに着目すれば「油」だとも言えるのです。
さらに切削油、エンジンオイルなどの潤滑油などに関していえば、界面活性剤(※)やエステルやハロゲンなど色々なものが混合されています。
※ ひとつの分子の中に逆の性質の部分(油にくっつきやすい部分と水にくっつきやすい部分)をあわせもつ物質。界面(表面)張力を弱めることからこのような名前がついているものの総称で、種類によって洗浄、乳化分散、殺菌、浸透など色々な働きをします。
代表的な用途は洗剤(脂肪酸ナトリウムエステルいわゆる石鹸など)ですが、食品、塗料、繊維、プラスチック、コンクリート、製鉄などありとあらゆる製品の重要な黒子として働いています。が、油を化学的に分解するような作用はありません。
ここまでくると「油」の意味は「ヌルヌルした水でない液体」ぐらいにまで広がっているといえるでしょう。このように油といっても色々なものがありますが、本サイト上では一番上の意味で「油」という言葉を使うことにしています。
- Q
- 油処理剤・油中和剤・油分解剤ってナニ? 本当に油を分解する?
- A
- このような呼称をつけられた商品には液体のものと固体のものがありますが、いずれにしても微生物のはたらきによる分解を待つものなので短期で油がなくなることはありません。液体タイプには界面活性剤(上記Q1の※)を主剤とするものと軽質油を主剤とするものの2種類があります。これらはいずれも水面に浮かんだ油膜や油のかたまりを細かな油滴(粒)にして 水中に乳化分散させるものでありそれ以上のものではありません。こうしておけば水中のバクテリアが油を分解(「資化」などという専門用語を使うこともありますが要するに食べることです)しやすくなる、ということです。固体タイプは植物繊維(粉砕した殻果や木材、コケなど)に油を分解する微生物を付着させたもので油を吸着しつつ分解するという効力をうたうものがほとんどです。
油処理剤の使用場面についていえば水域の油を分解させる場面と、地中の油を分解させる場面の2つ の可能性が考えられます。
まずは水域の油について説明したいと思います。液体タイプあるいは固体タイプのいずれを使った場合でも水面の油膜は消えます。しかしこれは油膜を散らしまた水中に乳化分散させ、あるいは水中に油を引き込んで見えなくさせただけです。油は数週間から数か月の間微生物分解が終わるまで水中にとどまり続けます。あるいは水面に(川などでは下流に)再浮上することもあります。また微生物分解する場合水中の溶 存酸素を消費してしまいます。これがひどいといわゆる「腐水」となります。従って河川などの内水で使用する場合には 十分な注意が必要であり、できれば使わないほうが水質の保全には好ましいといえます。ちなみに水中の油を瞬間的に分解させる技術としては過酸化物(オゾンなど)による化学的酸化分解が考えられていますが大がかりな施設が必要で 生物への影響も大きく油事故現場のような解放された環境の中で行うものではありません。
では地中の油はどうでしょうか。液体タイプのものは地表の油を地中にしみ込ませて地下水に乗せて拡散させてしまう危険があるので 使用しないほうがいいといえます。他方固体タイプのものを使って地中の油を 分解することは 水中の場合よりも環境に与える影響も少なく拡散防止に留意すれば技術的にも法律的にも許容されると思われます。但し、油の分解に外来微生物を利用するタイプのものについては既存の生 態系を乱す危険があることから、「微生物によるバイオレメディエーション利用指針について(産業構造審議会 中央環境審議会)」でガイドラインも設定されています。
液体タイプのものは本来は外洋における油流出事故で使用されることを予定されるものなのです。外洋で流出する油はほとんどが原油やC重油などの粘度の高い油です。これらは放置しておくとオイルボールと呼ばれる半固体状になって水中に沈み汚染を長期化させる危険があります。従ってこれらを柔らかく膨潤させておいて小さな粒に分裂させ 水面や水中に浮かぶようにしておき紫外線やバクテリアによって分解しやすいようにしておく意味があるのです。しかも外洋の海水は大量である上に人間が生活・農業・工業用水のいずれにも利用することはありませんから少々油が混ざっていても問題はないのです。しかし近海においては近時 使用が控えられる傾向にあり、使用する場合も周辺漁民の理解を得てから、という指導がなされています。
- Q
- 油を吸着した後の吸着材の処理は?
- A
- 廃棄物(ゴミ)は廃棄物処理法上は一般廃棄物と産業廃棄物に分類されます。事業者が排出した廃棄物であって、しかも 法定された13種類の分類(「汚泥」「燃えがら」「ゴム屑」「金属屑」など)のいずれかに該当するものが「産業廃棄物(産廃)」となり両方あるいはいずれかの要件を満たさないものが「一般廃棄物(一廃)」となります。漏出あるいは流出した油は再利用する場合以外基本的に「廃油」に分類されるものになります。そしてその「廃油」を吸着させたものも一般的にいえば「廃油」と「汚泥」の混合物、あるいは「廃油」と「廃プラスチック類」の混合物になると解釈されるものと思われます(但し、解釈は各都道府県によって異なりうるので正確を期すには直接 都道府県の窓口の御問合わせいただくしかありません。) 従って 企業や官公庁などの「事業者」がこのような油吸着廃棄物を排出すれば「産廃」になるのが基本でしょう。
では処理方法はどうなるでしょうか。一般廃棄物、産業廃棄物のいずれについても法令に従った適切な方法であれば排出者みずからが処理することもできますが、通常は一般廃棄物は市町村などの自治体が処理することが多く、産業廃棄物は都道府県の許可を得た専門業者が運搬・処分を行うのが普通です。ただ 産業廃棄物の場合「あわせ産廃処理」と言って一般廃棄物と一緒に処理してもらえる場合もあります。これは各市町村によって扱いが異なるので市町村の窓口に直接お問いあわせください。また油濁 事故において第一次的な回収責任は原因者にあるとされていますし、河川にゴミを流した事例ではゴミを 回収して集めたのが官庁だとしても 流した原因者が一般人である場合には、そのゴミは「一般廃棄物」となるとした地裁判例もありますので、油を出した原因者が一般市民である場合には油吸着廃棄物も一般廃棄物だと判断されうる余地もあると思われます。
また 廃棄物処理法は排出の抑制を謳っており自家処理が禁止されているとは解釈されません。
とすれば 油について明文に規定された「中間処理として焼却をしてから最終処分として埋め立てる」という方法での自家処理が禁止される理由はありません。さらに明文で規定されていなくても適切な手段であれば許容されていて、現に廃食用油や油汚染土壌の「油」などについては排出者自身による微生物分解が広く採用されています。もちろん周囲への拡散などの悪影響を及ぼすような方法、消防法に違反するような方法は禁止されていると解されます。
なお廃棄物のうちで特に爆発などの危険が高いものは「特別管理」(一般ないし産業)廃棄物となり運搬・保管方法などに法的な制限がかかります。吸着力が弱く一旦吸ったガソリンなどを再放出するような吸着材を使用した場合にはこの「特管(とっかん)」廃棄物になってしまう恐れもあります。従って吸着材には 十分な吸引力をもった材料をやや多めの量で使用されることをお勧めいたします。
- Q
- それぞれの油の比重を教えてください。
- A
-
A重油 0.87 C重油 ハイサルファー 0.99 ローサルファー 0.95 灯油 0.79 軽油 0.84 機械油 ギャーオイル 0.904 自動車 0.898 ガソリンエンジン 0.878 ディーゼルエンジン 0.847 ガソリン ハイオク 0.74から0.75 レギュラー 0.72から0.74
- Q
- 油の漏流出事故を起こしてしまった場合 どこに連絡すればいいの?
- A
- 火災の危険があるようであれば もよりの消防署に連絡したほうがいいと思います。
そうでない場合 道路の場合なら道路管理者(国土交通省の国道事務所、都道府県の建設事務所・県民局など、市町村の道路維持係など)、河川の場合なら河川管理者(国土交通省の河川事務所、都道府県の建設事務所・県民局など、市町村の管理課・環境課など)に連絡するのが一般的ですが 地域によっては保健所が対応していることもあり 一概には言えません。
いずれに連絡するにせよ 同時進行で みずからが油の拡散を止める努力は怠らないでください。汚染地域が狭ければ狭いほど 処理が確実かつ安価に済むからです。
