「水面に浮いた油の除去」と言っても色々な場面があります。それぞれのニーズに応える資材を適切に使い分けることが必要です。
●なお、弊社ではいわゆる「油中和剤」「油処理剤」の使用は積極的に推奨はしておりません。
その詳細については
「よくあるご質問」の「油処理剤・油中和剤・油分解剤」へ
| 油濁事故の現場で | 初期段階 ・・・・ | 詳細 |
|---|---|---|
| 中間段階 ・・・・ | 詳細 |
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| 仕上段階 ・・・・ | 詳細 |
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| 特殊状況(油のムース化、早期収束の必要) | 詳細 |
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| 油水分離槽の性能補助 | 詳細 |
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| 漁業生産 観賞魚飼育において | 詳細 |
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【水面に浮いた油を除去する方法】
水面に浮いた油を除去する方法として大きく分けると下記のようなものが提示されています。
1.オイルマットによる吸着回収
一般に油を吸着するマットは、すべて「オイルマット」と呼ばれています(わかりやすいネーミングですね)。
しかし機能面からみれば、「オイルマット」とひとくくりにせず、下記のように用途別に種類わけすべきなのです。
| セッターマット | バルクマット | |
|---|---|---|
| 使い方 | オイルフェンスの補助あるいは代用として 油の流下拡散を止める。 | 水面に短時間浮かべて油に接触させ、すぐに水面から引きあげ(て油が垂れないようにゴミ袋に入れ)る。 |
| 数時間~数日 水面に敷設しつづけて油膜を吸着させ続ける。 | ||
| 要求される性能 | 吸着力(負圧)の強さ 浮力(特に油を吸着した後の浮力)の強さ |
吸着量の多さ (しょっちゅう取り換えるので)単価の安さ |
言い換えると 「バルクマット」では 水面に長時間 浮かべ続けておいても、油の流下拡散を止めることはできませんし、七色に光っているような薄い油膜も吸着しません。むしろマットのほうが下流に流れて行ってしまう危険が高くなります。逆に 油が厚く浮かんでいる場所で 数分ごとに「セッターマット」を取り換えては 不経済です。
他方 油の吸着材としては 現在 下記のような種類の素材が用いられています。
| 素材 | マイクロポーラス(細孔のある)固体 | 繊維 | |
|---|---|---|---|
| 具体例 | コーヒー抽出残渣などから作った炭化物、 発泡鉱物の一部など |
合成繊維 | ポリプロピレン(PP)や ポリエチレン(PE)など |
| 天然繊維 | 木綿やカポックなどの本来的な 繊維や木や樹皮や殻果を砕いた ものなど |
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そして、その性質は大きく異なります。
| 吸着孔 | 小さい | 繊維の間の隙間なので大きい。よって油と接触した瞬間の吸着料は多い) |
|---|---|---|
| 負圧(水面に吸着し残してしまう油の量、 長期的に油を再放出せず保持する力) |
強い。薄い油膜まで吸着回収して消す。いったん吸った油は再放出しない。排水からの油分の濾過除去などに使われることがある。 | 弱い。油膜は残る。また一度吸ったはずの油も 水中に再放出しやすいし、引き上げ時にポタポタ落としやすい。 |
| 浮力 | 強い | 弱い。特に油を吸うと沈みやすくなる。 |
このような対比を見てわかるとおり、マイクロポーラス固体は「セッターマット」の素材として、繊維は「バルクマット」の素材として適していると言えます。将来 別の素材が出てくる可能性はありますが、現段階においては セッターマット=マイクロポーラス系マット、バルクマット=繊維系マット、と考えても あながち間違いではありません。
セッターマットである活性炭マットとバルクマットであるポリプロピレンマットによる油膜吸着実験動画も御参照ください。
■ 油膜の吸着力の比較実験(動画)
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また その他にも マイクロポーラス固体と繊維の間には 下記のような違いがあります。
| 素材 | マイクロポーラス(細孔のある)固体 | 繊維 | |
|---|---|---|---|
| 特に得意な油 | 軽油、作動油、A重油などの軽質油 | 原油、C重油などの高粘度油 | |
| 火災の危険 | 吸着材は不燃性。窒息消火作用のあるものもある | 燃える | |
ポーラスタイプのオイルマットとしては、粉もれが少なく、吸着量も比較的多いコーヒー豆の炭化物を素材とした「スミレイ」オイルマットがあります。
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繊維タイプのオイルマットとしては カポック、木綿、PPなど、各種の素材をとりそろえ、用途に応じてご提案しております。(「スミックスオイルハンター」および「カポックピロー」など)
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2.機械的な吸引回収
事故現場で油をスピーディに回収したい場合(特に油膜が薄い場合、あるいは油が水面の有機質やゴミと混合してムースのようになっている場合)には水面の油を機械的に吸引する機器(「スキマー」)による吸引回収して、それを現場で濾過するという機械的な手法も有効です。ただし、これまでは、装置が大掛かりになりがちであること、回収後の油水の処理が現場では難しかったこと、スキマーの性能の不足(油だけを回収できるものは油膜を取り残す、逆に 精密に油を回収できるものは水も多く吸いこんでしまう)から、河川などの内水域での油濁事故ではあまり使われませんでした。しかし、最近はこれらの課題をクリアした製品も市販されています。くわしくは、こちらへ
3.ゲル化剤による固化と固化した油の回収
油を化学的に固化する粉末ゲル化剤(石油を原料とするポリアクリル酸など)は、主に海洋油濁事故で、油の回収と火災防止の目的で使われますが、油の回収精度が高くなくて、薄い油膜までは回収することはできず、ゲル化剤じたいの水没・拡散・流下もあるので、異物混入を嫌う河川湖沼などの内水での油濁事故においては、あまり使用されていません。
4.分解
油も有機物なので分解はしますが、問題はその過程と時間です。現在、自然環境中で油を薬物と化学反応させて分解しようという提言は、危険な薬物を使うことになるせいか、見かけません。「これを撒いておけば、油は分解します」と宣伝されている商品、いわゆる「油処理剤・油中和剤・油分解剤」のほとんどは微生物が油を食べて消化すること(資化)で分解するのだと、理論づけています。しかし、これらの説明には注意が必要です。
「油処理剤・油中和剤・油分解剤」についてはこちらへ
